仕事に向かえば、みんなが対等。
誰だって自分で意思決定していい。

古川 健介

取締役 / 新規サービス開発室室長

「まともな人に見られたい」が就職の動機

高校生くらいから、ずっとインターネットは触っていて、遊び道具でした。いろいろなサイトをつくって公開したりしていたんですが、特に大きな反響があったのが、浪人生時代につくった「ミルクカフェ」というサイトです。

大学受験生が情報交換をするためのサイトで、自分の情報収集も兼ねてつくったのですが、当時はそういうニッチなターゲットのサイトがほとんどなかったこともあって、最盛期は月に1000万PVくらいが集まりました。といっても、そもそもビジネス目的でつくったものではないので、PVが増えれば増えるほど管理コストが増えて赤字が膨らんでいったんですけどね。その後も、ライブドアに売却したレンタル掲示板サービス「JBBS@したらば」をはじめ、いくつかのサービスを立ち上げたり運営に関わったりしましたが、自力で収益化できたものはありませんでした。

そんな感じで、もともとはビジネス志向が全然ありませんでした。それに、Webサービスと関わっていると、いろんな大人と仲良くなるんですが、そういう人たちってほとんどがいわゆるスタンダードな就職をしていなくて。だから自分も定職に就くつもりはありませんでした。気持ちが変わったのは大学3年か4年のとき。「2ちゃんねる」をつくったひろゆき(西村博之)さんに「このままだと、おいらみたいになっちゃうよ」って言われて、それは嫌だなって思ったんです(笑)。ああいう生き方は自分には向いていないなって思って、それで就職しようって思ったんです。

新卒で入社したリクルートには3年間勤めました。3年という数字に深い意味はないのですが、3年間やっておけば、とりあえずまともな社会人に見えるかなと(笑)。

メディア運営で学んだ、
人を動かす術を共有する。

その後、起業して、株式会社ロケットスタートを立ち上げて、HowToメディア「nanapi」をはじめました。生活における、いろいろなものごとのやり方など、自分の知識を“ライフレシピ”として投稿して、サイトに来た人に共有できるWebサイトです。

マスメディアは多くの人が知りたいことを提供するけれど、ニッチな情報までカバーしきれません。その隙間を埋めるようなサービスがあれば、必要な人に必要な情報が届いて、ネットがもっと楽しくなると思ったんです。実際、そういう情報のニーズはあって、立ち上げ数日で100万PVを突破しましたし、最盛期には2200万UUが訪れるサービスになりました。その後、2014年にKDDIの資本が入り、2015年に同じくKDDI子会社の2社と合併してSupershipになりました。

今はサービス統括室室長と、デザイナーの統括を担当しています。サービス統括室にある、シード開発グループというところは、僕以外のメンバー全員がエンジニアです。

デザイナーでもエンジニアでもない僕が、それぞれの職種のメンバーをディレクションしたりマネジメントしたりしていることを不思議に感じるかもしれませんが、専門スキルについて口を出すわけではありません。どちらの職種も、職能、例えばグラフィックをつくる能力やコードを書く能力だけでなく、人の行動を分析して変えていく力が必要だからです。

僕自身はずっとメディアやコミュニティの運営に携わってきたのですが、大事なのは、「人間とは何か」を考えぬくことです。

ユーザーに使ってもらうために、人間とは何か、どういう設計にするとどう動くか、を考え、具体的な行動に落とし込むことを仕事にしてきました。そのときに学んだことは、デザイナーやエンジニアにとっても役立つものだと思っています。

決断と判断を区別すると、
意思決定が早くなる。

Supershipの社員は、職種問わず優秀な人が多いと思っています。独立して個人プレイヤーになっても食べていけるだろうなっていう人が集まっています。

では、「優秀」とは何か。基準はいろいろあると思いますが、僕の中の優秀な人の条件のひとつに「意思決定できる」というのがあります。

Supershipのバリューの1つに“ジブンゴト化”、というものがあるのですが、どんなポジションでも自分自身が責任者だと思って意思決定していくことが求められます。

僕がよくアドバイスするのは、「決断」と「判断」を明確に区別して、混同しないようにすると意思決定が早くなるということです。決断は、AとBでどちらもメリット、デメリットがある場合に、意思を持って決めることだと思っています。要は覚悟するかしないか。判断は、メリットとデメリットを整理して論理的に判定することだと思っています。

それぞれ必要なシチュエーションが違っていて、決断すべきときに情報集めに時間を割いても無駄だし、判断すべきときに雑に決断してしまうと、意思決定の質が悪くなります。こういうことって改めて教えられる機会がないので最初はできていない人が多いのですが、一度聞いてしまえば割とすぐにできるようになるものです。

学校には先生という絶対に正しいとされる存在がいるので、会社に入ってもその意識が抜けず、上司や先輩を正しさの基準にしてしまいがちです。でも、社会人って本当はみんな対等なんです。年齢や役職で正しさは決まらないし、昔からの常識が正しいとも限りません。特にテクノロジー企業は若いほうが吸収力や感度という点で有利なので、自分の考えをどんどん出していくといいと思っています。

古川 健介

取締役 / 新規サービス開発室室長

2000年に学生コミュニティであるミルクカフェを立ち上げ、月間1000万PVの大手サイトに成長させる。2004年、レンタル掲示板を運営する株式会社メディアクリップの立ち上げ、事業譲渡を経験。新卒入社した株式会社リクルートで新規事業立ち上げを担当した後に退職し、Howtoサイト「nanapi」を運営する株式会社ロケットスタート代表取締役に就任。2014年10月にKDDIグループにジョインし、2015年のスケールアウト、ビットセラーとの合併により現職。

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